いつもお世話になっております。加藤瓦店です。
成田市のお客様から瓦がずれているので修理してほしいとの依頼を受けました。
早速伺ってみると、棟瓦がずれて、落ちそうになっていました。
お客様としては、大きな地震でも崩れない屋根にしてほしいとのことでした。
加藤瓦店としては、地震に強い屋根にするために、棟金具を使った耐震工法による棟の取り直し工事をご提案しました。
棟金具を使った耐震工法は従来の漆喰を使った工事よりも費用はかかりますが、古い漆喰を撤去して新しくなんばんと棟金具を施工するため、地震に強い屋根に仕上がります。
目次
棟金具を使った耐震工法
最近問合せが増えている棟金具を使った耐震工法で棟瓦を施工した場合、大きな地震でも落ちにくい屋根にすることができます。
大地震の時に「瓦屋根が落ちた」と報道で流れますが、そういった屋根は耐震工法がなされていない古い屋根であることが多いです。
比較的新しい技術である耐震工法を用いれば、大きな地震でも瓦屋根が落ちてしまう可能性を低くすることができます。
古い棟の漆喰と粘土を撤去
まずは、棟瓦を1枚ずつはがし、古い棟の漆喰と粘土を撤去します。
棟金具の施工
次に、撤去したところに特殊な棟金具を施工します。
棟金具は屋根の躯体にステンレスの釘で止めつけます。
加藤瓦店では釘はすべてステンレス製のものを使用しています。
ステンレス製の釘は、鉄釘よりもさびにくく、丈夫で長持ちします。
なんばんと棟瓦の施工
最後に、なんばんと棟瓦を施工します。
棟瓦は、1枚ずつホルマル銅線で緊結し、さらにそれを鉄筋に結びつけます。
すべての棟瓦が鉄筋に緊結されることになり、大きな地震でも棟瓦が落ちにくくなります。
これで、地震や台風に強い棟瓦が完成します。
瓦屋根のメリット
ランニングコスト抑制
今回は陶器の瓦屋根の施工でした。
瓦屋根はスレートとは違って、定期的な塗装をする必要がありません。
また、瓦屋根はスレート屋根と比べて、太陽光の熱を小屋裏に伝えにくいので、特に夏は住宅の温度を適温に保つことができ、冷房などの光熱費を抑えることができます。
以上のように、瓦屋根はランニングコストに優れているといえます。
実は災害にも強い
瓦屋根は災害に弱いというイメージを持っている方がいらっしゃるかもしれませんが、近年広まってきた「屋根工事のガイドライン」に沿った工事を行えば、大きな地震にも耐えうる耐震性を持った屋根にすることができます。
「地震が来たら修理する」は損?
「今はまだちょっと屋根がずれているだけだから、直さなくてもいいか」とか、「雨漏りしていないから直さなくてもいいか」というのは損してしまう可能性が高いです。
というのも、屋根が崩れたり、雨漏りしてから修理するとなると、修理が大規模になってしまい、工期や修理費用が大きくかかってしまう可能性が高くなります。
また、大きな地震や台風が来てから修理するとなると、業者さんのところにたくさんの修理依頼が来てしまい、なかなか修理に取りかかれなくなってしまいます。
そうなると、地元の業者さんだけでなく、全国からいろいろな業者が集まってきて、屋根の修理をするようになります。
そのような業者の中には、屋根修理の技術が足りないけどとりあえず修理したら終わり、といった業者や、なかなか業者さんが来てくれないから不安になったお客様の心理を狙って高額な工事費を請求する業者なども集まってきます。
東日本大震災の時にもそういったトラブルが多くあり、他の業者が工事を行った後、すぐに雨漏りしてしまったので、加藤瓦店が後から工事をやり直す、といったこともありました。
業者の選び方の注意点はこちらにまとめてみました。
また、東日本大震災の時には、工事依頼が広範囲で増えたため、材料の価格が高騰し、通常よりも工事費が高くなってしまうこともありました。
以上のように、地震が起きてからの修理では、工事開始が遅く、工事が大規模になったり、工事費が高くなったりしてしまう可能性があります。
ですので、地震が起きる前に修理をして、耐震工法で地震に強い屋根にしておくことが賢い選択だといえます。
東日本大震災の時にはお待たせしてしまい、申し訳ございませんでした
東日本大震災の時には、お待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした。
当時は短期間で400件以上の工事依頼が入り、最後のお客様の工事を終えられたのは震災から5年を経過した年でした。
加藤瓦店では、基本的に自社の職人により、直接施工をさせていただいております。
ただ、職人の育成・技術の習得には大変な時間が必要になります。
限られた数の熟練の職人によって直接施工しているため、施工できる数にも限りがあり、結果として大変お待たせすることになってしまいました。
加藤瓦店を信頼して工事をお任せいただいたお客様ならびに、最後までお待ちいただいたお客様、ありがとうございました。
時間はかかりましたが、1棟1棟責任を持って施工させていただきました。
これからも地域の安心・安全のため、災害に強い屋根や住宅を作るために精進してまいります。
よろしくお願いいたします。
地震活動は依然活発
2017年7月11日追記
政府の地震調査委員会の見解では、東日本大震災から6年経過した現在でも、関東や東北において地震活動が活発な状況にあるとのことです。
”http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/264868.html”2017年7月に入ってからは、7月2日に北海道で震度5弱、同日に九州の熊本でも震度5弱の地震がありました。
7月11日にも九州の鹿児島で震度5強の地震が発生し、関東や東北だけでなく、日本各地で大きな地震が発生しています。
地震がいつ発生するか正確に予測することは難しいようですので、今できる対策を早めにしておきたいですね。
食料や飲料水、防災グッズや電源の確保などはもちろんですが、大事な住宅の安全を確保するためには屋根の点検や修理なども大切ですので、お早目の対策をおすすめします。
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